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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
平成26年
平成27年
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平成29年
平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
65. やがて結婚したくなる
66. 愛ある結婚
67. 結婚しない男性
68. 結婚できない女性
69. 生涯未婚
70. 離婚に学ぶ結婚
71. 熟年離婚リスク
72. 争族は親の無責任
73. 相続では間に合わないこと
74. 楽して儲かる仕事
75. 適当でいいじゃないか
76. 仕事ができる人は幸運を招く
平成24年
70 離婚に学ぶ結婚
離婚コンサルタント
離婚相談をどこにすればよいか悩んでいた女性がいた。弁護士事務所に行けば法律に関連する説明は受けられるが、費用とハードルが高い。役所に行けば母子生活に関する支援の手続きは教えてくれるがそこまでである。窓口がいくつもの分かれていて離婚をトータルに相談できるところがないことを強く感じた。そこで親身になって離婚相談ができる離婚コンサルタントに自らがなったという。
離婚相談がビジネスになるくらい離婚数が増えている。厚生労働省の離婚に関する統計によれば、1990年15万件だった離婚数が徐々に上昇し2002年29万件に達し、その後多少減少しながら2008年25 万件前後で推移している。
実際に離婚に至らなくとも離婚予備軍はその3~5 倍の数が考えられる。よって100 万組を超える夫婦には何かしら問題を抱えていると思われる。
一方婚姻数は団塊世代が結婚した1970年代前半では100万件に達したが、その後減少して2008年72 万件となっている。婚姻数は減少し、離婚数が上昇する傾向が今後とも続くと思われる。
統計による離婚状況
離婚は婚姻期間が短いほうが離婚率は高い。これは衝動で結婚し、やがてこんなはずではなかったと気付いたからである。また歳も若いことからやり直しがきくこともある。しかし、近年熟年離婚の割合が増加してきている。離婚を妻から切り出すケースが多くなっている。
離婚の最大の理由としては異性関係や暴力と思われているかもしれない。あのタイガーウッズも異性関係で離婚を経験している。しかし実際の離婚の理由として女性からの申し立ての多い順に性格の不一致、暴力、異性関係となっている。一方男性からの申し立ての多い順に性格の不一致、異性関係、家族との折り合いとなっている。男女共に第1位にあげられたのが性格の不一致であった。
性格の不一致といっても漠然としている。もう少し具体的に見ると、夫や妻の行動で許せないのが、会話がない、洋服を脱ぎっぱなしにする、歯磨きをしないで寝るなどである。
夫婦の会話がない、これは夫婦が一緒に暮らす意味がないことに発展する。もともと他人だから、会話を通じてお互いを理解し合うことを放棄していることになる。
洋服を脱ぎっぱなしにするは、自分本位な行動で相手に対する配慮のなさの現れである。同様な行動として自分の趣味に没頭するが挙げられる。
歯磨きをしないで寝るは、不潔である、臭い、汚いなど生理的に受け入れられない行動である。
米国ワシントンで行なわれた調査によると、夫婦の会話において積極的な会話は円満な夫婦の現れであるが、消極的な会話は夫婦生活の失敗に結びつく。消極的な会話のうち特に相手の話に軽蔑的な姿勢で聞いている場合は、夫婦の関係が壊れるのは時間の問題といわれている。
相手の話しを聞けないのは、疲れている、時間がない、興味がないという理由かもしれないが、自分本位の行動は相手を無視していることになる。これは相手にしてみれば自分の存在を否定されていると同様である。
結婚以前にも相手の言動にはそんな兆しがあったかもしれない。しかし、交際中は相手の良いところばかりが見えて悪いところには気がつかないということだろう。結婚前は両目で相手を見て、結婚したら片目で相手を見るのが良いという格言が意味深く受け止められる。
離婚による損得
離婚を思いつくときは一時の衝動が原因になるだろうが、離婚に至るまでには相当の時間がかかる。まず財産分与の問題である。結婚してから築き上げた財産であれば、互いが取得する権利がある。妻が専業主婦であっても同様である。ただし、結婚時に互いが持ち込んだ財産、嫁入り家財、相続で受け取った財産などは分割の対象にならない。
次に慰謝料の問題である。離婚の原因がどちらか一方に属する場合には慰謝料の請求が出来る。慰謝料の金額は100万円~200 万円といわれているが、相手に過失を認めさせれば慰謝料は減額する。そのためには相手の悪いところを徹底的に拾い出すことになる。この行為は夫婦関係の崩壊を決定付けることになる。
夫婦間に未成年の子供がいれば親権の問題が生ずる。多くのケースでは母親が親権を取得しているが、子供が中学生以上になれば子供の意見が尊重される。よって、兄弟姉妹が別々に暮らすことになる場合がある。
子供がいれば親権と共に養育費も問題になる。子供が高校を卒業するまで、20 歳になるまで、大学を卒業するまでと、いつまで養育費を払うか決めることになる。また、養育費の金額は一人につき月額3 万円といわれているが、支払者の経済状況が好転すれば増額もある。しかし、現状は継続的に養育費が払われている割合は半分程度である。
離婚にあたり夫婦で話し合い決定し、役所に離婚届を提出することを協議離婚という。相手が協議に応じてくれない場合は家庭裁判所の調停委員が間に入って互いの言い分を聞きながらすすめる離婚を調停離婚という。調停が成立しなかった場合は家庭裁判所の審判で行なわれる審判離婚にすすむ。
平成 19 年4 月から離婚に伴い年金が分割されるようになった。サラリーマンであれば老齢厚生年金と老齢基礎年金がある。分割されるのは老齢厚生年金部分である。夫婦共にサラリーマンであれば互いの婚姻期間に応じた老齢厚生年金部分の合算が1/2 ずつに分割されることになる。
離婚には多額のお金が将来に渡り発生することになる。多額のお金を払って得たものは、自尊心、ストレスからの開放、苦痛の除去、将来の不安、自由な時間などであるが、失うものは相当大きい。
結婚生活はメリット探し
かつて離婚した女性が子供を抱えて生きていくには環境が厳しかった。経済的支えも乏しく、実家も世間体を気にして決して温かく迎えてくれなかった。その結果何とか離婚を止まり、耐えることを選択するしかなかったかもしれない。
ところが現在は離婚したら実家に戻っておいでと親は言うし、孫と同居できることを喜ぶ親は多いと思う。
友人にしても離婚を思い止まらせるのではなく、そんな相手とならいつまでも一緒にいてはいけない、さっさと離婚しちゃえばというだろう。
社会も離婚経験者を差別して特別視することはなくなった。むしろ独りで子を育てながら頑張っている姿を応援する環境が整ってきたのではないだろうか。よって、離婚を決意したら確実に実行されることになる。
しかし、周囲が思うほど離婚後の生活は楽ではなさそうである。出来れば離婚しないで明るい結婚生活が送れたほうが良い。そのためには相手のメリットを探し続けることである。多少気になることでも多めにみる、気にしないことである。
退職して365 日家にいる夫が何もせずに指示ばかりしていれば妻の堪忍にも限度がある。ストレートに文句を言えば暴力を振るわれるかもしれないので、あなたのためと思わせながら行動を起こさせる方法を考えなければならない。
そしてわずかでも変化が生じたら、それを認めることでしょう。面倒かもしれませんが、やがて相手が気付いてくれるかもしれません。
長野日報土曜コラム平成24年6月23日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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