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45 ファイナンシャル・リテラシー1(金融読解力)

ファイナンシャル・プランニングの限界

 

ファイナンシャル・プランニングは個人のライフプランに基づいて立てられる。ライフプラン上大きなイベントとしては養育、住宅、老後がある。

 

子を大学まで卒業させるためにはいくらかかるので、そのために毎月いくらずつ貯めなければならない。

貯め方としては銀行ではリレー積立、保険会社では子供保険がある。現在は金利が低いので、元本割れの少ない債券型の積立投資信託を証券会社で利用する方法もある。

 

住宅取得は人生で最も大きな買い物となり、ローンが長期に渡り続くので、現在の家賃相当の返済計画では養育費が増大する時期には家計がパンクしかねない。よって、一戸建て新築、リフォーム、賃貸住宅を含め検討することが大切である。

 

老後生活は人生90 年を念頭に退職後、いくらの老齢年金が貰えるのかをまず確認する。老後生活をするのに不足する金額を算定して今から準備が必要である。そのためには退職後の就労や退職金の運用を考えなければならない。

 

ファイナンシャル・プランニングは将来いくらかかるので、そのために今から合理的に準備をしようというものである。選択する方法は社会保障や企業保障を考慮して自助努力をするのである。個人によって現状が異なるので、個人の状況や取れるリスクに応じて自助努力内容が変わってくる。

 

いくつもの要因が絡んでくるものの数学的にシミュレーションが可能である。不足額はいくらだからその金額を貯めるよう努力するか、出来なければ計画変更となる。これまで見えなかったものが見えてくることは大きな収穫であるが、それを実践していくのは人の仕業である。

 

一切の無駄を排除した計画は机上では正論でも、人が実践するとなればその時々の感情によって左右され達成できるとは限らない。

頭で分かっていることと実際の行動は必ずしも一致するとは限らない。

ファイナンシャル・リテラシーとは金融読解力といわれ、お金に関して将来を計画する力と計画に沿って自己を律して実行する力の双方を含んでいる。

 

 

貯めたい気持ちと使いたい気持ち

 

お金を貯めようと考えるときは将来の不安に備え、冷静に客観的に長期的視点に立っている。一方お金を使いたいと思うときは貯めたいと思う気持ちとは反対に、直感的に衝動的行動に左右されているようだ。

 

貯めたい気持ちは論理的な脳が働き、使いたい気持ちは本能的な脳が働くといわれている。そして、本能的な脳の方が論理的な脳よりも優位に働く。これは自分の身に危険が迫ったときなどは、真っ先に危険を回避する本能が優先されるためであるといわれている。

 

パニックに陥った場合はその場を回避するために、その場しのぎに嘘やデタラメなことを言うことがある。

普通に考えれば決してあり得そうにないことを口にする。これは時々逮捕直後の容疑者の発言に見られる。本能に基づく行動はギャンブルやオークションなどでも同様に表れる。

 

本能が優先する行動は「限定」という場合にも当てはまる。今だけのタイムバーゲン、季節限定、当店限定などである。二度と手に入れることが出来ないと思うと、価格が高かろうが安かろうが関係ないことである。

 

本能的な脳が優先している状態では金額の多寡ではなく、物を獲得することのみが最優先課題になってしまう。

次に「見栄の張り合いによる消費行動」がある。人は誰でも豊かになりたいと思う。豊かになったと感じるのは自分の周囲の人と比べて、負けないために高価な買い物をすることだ。家や車はお金に換算すれば高くて立派でなければ豊かさを感じられない。ブランド品で身を固めている女性は自己顕示欲が強い女性かもしれない。

 

他にはストレスの発散に伴う消費行動がある。誰かに怒りを覚えた場合に直接怒りをぶつけられないので消費行動で解消しようとする。また、仕事や勉強でこれだけ頑張ったのだから何か報いがあっても良いと思う。誰も自分の努力を認めてくれないので、自ら賞賛のために買い物をしてご褒美を与える。

 

人は強いストレスを感じると論理的な脳は停止し、本能的な脳が活発化し、平静状態に戻ろうとする。これが衝動的な消費行動につながり、後先のこと、必要性を無視した行動を取る。やがて論理的な脳が活動すると後悔と反省が訪れるが、今買わなければ二度と手に入れられない、どんなに高くても10 年使えば1 日あたりわずかな金額であると論理的に肯定してしまう。

 

これらの消費行動は無意識の中で行なわれるので、使いたい気持ちを意識しながらコントロール出来なければ、どんなに綿密に描いたライフプランも絵に描いた餅になってしまう。

 

無意識は自身のルーツ

 

子供がお年玉を貰うと親が取り上げて金融機関に預けるか、子供が前から欲しいものを買い与えた。

子供にお金を持たせておくと無駄なものを買ってしまうと思っている。やがて子供が大きくなり毎月のお小遣いを渡すようになると、親の想像通り子供は無駄なものを買ってくる。だからお小遣いは無駄遣いの許容範囲と割り切って金額が設定されている。

 

学校、習い事、部活等で使用するものは親が全てを負担する。子供のお小遣いは漫画、ゲーム、バラエティグッズ等親から見れば無駄と見えるものに消費される。親はお金という魔力から子供を守るため、なるべくお金か遠ざけようとする。

 

ある母親は幼い子供たちと一緒の時間を過ごすために仕事を辞める。またある母親は子供たちに貧しい思いをさせたくないので、出来るだけ早く仕事に復帰をしようとする。

 

どちらの母親も子供に対する愛情が溢れている。一方の母親は子供に時間を与え、もう一方はお金を与える。

おそらく親が子にお金のことを伝える際、無意識の中で行動を決めていると思われる。この行動の元になっているのは親自身が受けた体験や教育に根ざしていることだろう。無意識の行動は親から子へ、そして孫へ受け継がれるのかもしれない。親のうち特に母親の影響の方が大きいと思われる。

 

本能的な脳の影響を受け、無意識の行動はやがて論理的な脳により肯定されるだろう。時には言い訳じみた表現かもしれないが、そうすることにより平静を取り戻そうとするのだろう。

 

あなたにとって「お金」とは

 

お金は無意識の中で消費が決定されていくことが多いと思われる。それではあなたにとって「お金」とは一体何でしょうか。是非ご自身で考えてみてください。

 

お金は金額の多寡をもってお金持ちと貧乏人を区分できるので、「自分の価値」を表すのでしょうか。お金は誰もが欲しがるので、「欲望」の表れでしょうか。

 

お金がもっとあれば現状と違う仕事が出来るので、「自由度」の表れでしょうか。

子供のときは自由にお金を使うことが出来なかったとすれば、お金は「自立」の表れでしょうか。お金によって罪の償いも行なわれるので、お金は「すべて」ということも出来る。

 

お金はあらゆるものに形を変えることが出来るので、「あらゆるものの象徴」となる。家や車に対する欲望は、本来その人にどんな意味があるのだろうか。買いたいと一度決めたら論理的に理由付けがされるだろうが、欲望の源泉は衝動によるものかもしれない。

 

お金に色々な意味を設け、その達成のためにお金の獲得に走れば、自らの本能に振り回されることになるかもしれない。所詮お金は紙切れやコインでしかないのだ。

 

長野日報土曜コラム平成22年5月22日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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