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43 不安を課題に

不安は常に煽られる

 

このまま少子高齢化が進めば現在の年金制度は維持できなくなる。アンケートによれば豊かな老後を過ごすには月額40万円ほど必要である。公的年金だけでは足りないので今から準備しなければならない。

生命保険会社の個人年金推進トークである。

 

医療技術が進み開腹手術をしなくてもガンが治せるようになる。そのためには保険適用されていない高度先進医療が必要となるかもしれない。高度先進医療を受けるには日額1 万円程度の医療保険では不十分である。ガン保険や保険適用外医療に対応する高度先進医療特約推進トークである。

 

今後ますます高齢化が進めば公的介護保険制度は維持できなくなるので必ず自助努力が必要となる。

死亡保障、医療保障に次いでこれからの高齢化社会には民間介護保険が必要である。また保険料控除の対象になるので、掛金に応じて所得を減ずることもできる。

 

日常茶飯事の出来事は多くの人が知っていることなので、ニュースになりづらい。めったにない出来事の方が物珍しく話題性があるのでメディアに取り上げられやすい。このような出来事はメディアにとって視聴率や購読数の向上につながり、自分しか知らないことならば他人は関心を持って聞いてくれるので話し甲斐がある。

 

そのような出来事は他人の不幸を取り上げることもある。

他人の不幸はいつか自分に降りかかるかもしれないが、とりあえず現時点では発生していない。当事者と比べて自分は幸せである。相対的に自らの幸福感に浸ることができる。

 

稀に発生する不幸な出来事はメディアや日常で繰り返され、不謹慎ではあるが一時的な幸福感と、もしかしたらと

いう発生確率に不安を感じてしまう。

 

繰り返されるほど不安が増幅

 

景気の低迷が続き、派遣労働者の契約打ち切りや企業の倒産が相次げば、誰でも不安を感じる。一度職を失えば再就職は難しい。新卒の学生も就職できずに卒業を迎える者が例年になく多いと聞けばなおさらである。

 

職を失い収入の道が絶たれれば、将来の予定は立てられなくなる。結婚、養育、住宅等お金がかかるイベントは目途が立たなくなる。すでに住宅ローンを抱え、養育期間中であれば失業は家計にとって大打撃になる。もし実際にそのような事態になれば大ピンチを迎えるだろうが、一体その発生確率はどのくらいだろうか。

 

例えば生命保険には標準生命表が使用され保険料が算出されている。生命保険に加入する人数のうち何人が亡くなり何人が生存するかを統計的に表している。男性の場合産まれたばかりの人10万人に対してその年に亡くなる人は108 人で、確率にすると0.108%になる。

 

30歳になればすでに1,566人が同世代で亡くなり、その歳で亡くなる人は85人、亡くなる確率0.086%である。男性の平均寿命は80 歳といわれているが、この頃ちょうど半数の方が亡くなり半数の方が生存している。男性80 歳を迎えればほとんどの方が亡くなっていると思っていたら、たいへんな錯覚である。

 

初めはひとつの出来事としか受け止めなくて、自分には関係ないと思っていても、繰り返し何度も同様な情報を受信していると、あたかも明日には自分の身に降りかかるかのように思ってしまう。

 

情報の発信源がその道に通じている人からであれば、その思い込みは強くなる。やがて不安を超えて必ず発生する出来事と受け止められることがある。

 

不安の症状

 

心配事があると、つい頭に浮かんできて仕事や勉強に集中できなくなるだろう。結果として仕事の成果が上がらなかったり、試験では不合格の結果になったりする。

 

さらに心配事により食べ物がのどを通らなくなる。夜もぐっすり眠れなくなると体調を崩し日常の生活に影響が及ぶことが出てくる。

 

不安から来る強力なストレスから逃れるために、通常では考えられない行動を取ることがある。あなたは悪い運気にとりつかれているといわれ、やがて信じてしまえば何をおいても悪い運気の除去を考えるだろう。それがいくら掛かろうとお金で解決できるならば、提案される除去方法を受け入れるかもしれない。

 

目の前のストレスを回避することだけに専念するあまり、ヤミ金融を利用したりアルコールや薬物に依存したり、最後には他人の生命や財産を犯すことに至るかもしれない。

 

はじめは些細な不安だったかもしれないが、次第にエスカレートすれば自己破滅に至ることもある。ちょっとしたきっかけで一度逆回転し始めると、不安や不満との葛藤が連鎖し、正回転に戻すには相当に困難を要する。

 

不安の対処法

 

1年前に不安に感じていたことを今でも不安に感じていますかと尋ねられると、1年前に感じていた不安自体覚えていないことがある。当時感じていた不安はすでに忘れてしまい不安はなくなっている。人は良いことも悪いことも忘れることができるので、不安を恐れすぎることは無用かもしれない。

 

どうして当時感じていた不安を忘れたのだろうか。おそらく感じていた不安以上にもっと夢中になることがあったのかもしれない。他人の言葉を借りて大したことではないと思えるようになったかもしれない。そんなことはどうでも良いと開き直ることが出来たのかもしれない。

 

不安は将来発生するかもしれないが、発生しないかもしれないという不確定な想像である。発生時期を過ぎても起こりえなければ今後も発生しない。不安が現実に起きることはないと思えるものだ。結果として何も対処をせずにいても不安は消えることがある。

 

しかし忘れるだけでは済まない不安もある。人は就職、結婚、出産、養育、住宅、退職、老後をほとんどの人が経験するだろう。限られた人生の中で先送りすれば、不安が解消するといえないものがある。先送りすれば人生の終末にしわ寄せがやってくる。

 

不安の対処法としていくつかのパターンでシミュレーションしてみてはどうだろうか。年収300 万円で3人の子供を大学まで出すことができるだろうかと考えれば不安が生じている。この発想を年収300 万円で3人の子供を大学まで出すにはどうしたらよいかと言い換えてみる。単なる不安がどうしたらよいかという課題に変換される。

 

親として出来ることは、年収を増やすことである。昇進、昇格して給与を増やす、配偶者の就労による増収、さらには勤務先を変更し収入アップを図る等が考えられる。また両親からの支援も視野に入れることもある。そして子の教育費に重点を置き家計を見直す。

 

子としても授業料、生活費が少ない大学や地域を選択する。地方の国公立大学になるかもしれない。奨学金や学生

ローンの活用も考慮する。これらは借金であるので子としても認識は大切である。大学で実施している奨学金給付制度もあるが、成績優秀な特待生に限られる。

 

生活費補填のためにはアルバイトも必要であろう。アルバイト代は小遣いではなく、生活費の位置付けになる。家

族全員が協力して力を発揮すれば、ほとんどのことは解決できるだろう。初めから不可能と諦めずに達成するために何をすればよいかと考えれば、いくつもの方法が見えてくるはずだ。

 

養育に限らず住宅取得、老後生活も同様である。新築の大きな家を求めれば大金が必要であるが、住み方、住む場所等を考え、新築にこだわらなければ住宅資金は少なくてすむ。平均値や他人と比べると不安や不満が先行してしまうので、自分なりの機軸を持ちたいものだ。

 

対処の際には衝動的や思い付きの行動は避けた方が良いだろう。じっくり時間をかけながら、その間に状況変化があることも含めて出来る課題から対処していくことだ。やるべきことに夢中で取り組んでいるときは、きっと不安を感じている時間はないと思われる。

 

長野日報土曜コラム平成22年3月27日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

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