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加持祈祷事件

 

心と身体は一体であり身体の病は心から来ることは多くの人が既に認めている。病を治すのに加持祈祷が行われることがある。今から60年ほど前の事件であるが、被害者当時18歳の少女は異常な言動をすることから母親の依頼を受け僧侶によって加持祈祷が行われた。

 

初めは少女に向かって経文を唱えたり、数珠で身体を撫でるなどしたが、一向に良くならなかった。僧侶は少女に狸が憑いていることが原因と考え、狸を追い出すために線香護摩による加持祈祷を行った。

 

線香が焚かれるにつれ少女はその熱気に暴れもがいたが、手足を縛り無理に線香の火に当たらせ、「狸よ早く出ろ」と怒号しながら加持祈祷を続け、数時間後少女は急性心臓麻痺で死亡した。

 

その後僧侶は傷害致死罪の容疑で起訴され、僧侶は加持祈祷が憲法により保障された宗教行為と反論したが、執行猶予がついた有罪となった。僧侶の宗教行為は精神異常者に対する治療行為とは認められなかった。

 

僧侶に依頼するまでの過程は不明であるが、母親は相当信心深くこれまでにも加持祈祷によって救われたことがあったかもしれない。数多くの病院を回り治療の効果がなく、全ての手立てを尽くした結果僧侶にたどり着いたのかもしれない。

 

日本では患者が狐、狸、ムジナなどに憑かれたとして宗教家がお払いを行い、その結果患者が死亡する事件がこれまで何度か繰り返された。

 

また足裏を診断しては「余命2ヶ月である」「がんを発症している」「会社が倒産する」などと言って、当教会に加入を勧め、法外な布施を要求したり、運勢を変えるための開運グッズを購入させたりする詐欺事件も発生した。

 

「信ずる者は救われる」というが信じた結果、娘の命が奪われたこと、倒産を避けようとして自己破産をした場合どのように受け止めたらよいのだろう。催眠状態から覚めないかぎりとんでもないことをしたと反省するに至れないかもしれない。信ずることも度を過ぎると恐ろしいことになる。

 

ポジティブ者は健康で長寿

 

ポジティブ心理学者は多くの調査・実験を行っている。幸福と長寿の関係を調べるために修道女を対象に調査を行った。

修道女たちは世間から隔離され毎日決まり正しい生活を送っている。彼女たちは毎日同時刻に起床し、同じ食事を取り、酒も飲まずタバコも吸わない。このように生活環境がほぼ等しいにもかかわらず、健康状態や寿命には大きな違いが見られた。

 

修道女たちの日記を解析すると「とても幸せ」や「心からうれしい」というポジティブな感情の言葉を多く使った者は健康で長寿であったが、このような言葉をほとんど使わなかった者は健康で長寿ではなかった。他にもいくつもの要因が調べられたが、健康と長寿に関してはポジティブ感情量の違いだけであった。

 

ポジティブ心理学は米国陸軍に取り入れられている。軍人は戦場ですさまじい状況を経験する。これまで厳しい訓練をともにした友人を救うことができなかった、自分のせいで死なせてしまった。敵と思われる兵士や民間人も場合によっては殺害することもあった。

 

そんな過酷な状況を人はすんなり受け止めることはできない。退役後も精神的に苦しめられることが多いことから、ポジティブ心理学が導入され軍人の精神的ショックを癒す活動が行われている。

 

同時に軍人を対象に多くの調査・研究が行われた。その結果のひとつにポジティブ感情が多い者に戦場から無事の生還率が高いことが示された。どんなことがあっても生きて故郷に帰り家族に会いたいと思えば思うほど無茶な行動が控えられるのだろうか。

 

戦場では全てが運頼み、神頼みで人力が及ぶことがないように思われるが、偶然の事故や災害にもポジティブ感情の多寡が影響しているようだ。

 

ネガティブ感情の必要性

 

ポジティブ感情の多い人は幸福感も高く健康で長寿であるといえるだろう。良い事づくめであるので、どうして対抗するネガティブ感情が存在するのだろうか。

ネガティブ感情は心配性で物事を悪いほうに捉えてしまう。いつも怯えながら周囲を気にしている状態である。

 

人間の現代社会において不意に現れる危険といえば交通事故が挙げられるだろう。それも道路を歩き、横断する際に危険が高まる。そうは言っても周囲を見渡し車がなければその危険は存在しない。ニュースで報道される自然災害、通り魔、テロ行為などはどこでも頻繁にあるわけではない。

 

ネガティブ感情は人が哺乳類以前に遡り、常に周囲に危険が存在し、その危険から身を守るために働いた感覚といわれる。この感覚は理屈ではなく、相手を攻撃する、逃げる、じっとしているの3種類から構成される。興奮した犬や猫の行動はこの3種類のどれかに当てはまる。

 

意識をしなければネガティブ感情が人の主な本能を左右し、危険要因を過敏に反応する。現代の生死を瞬間的に左右する危険は数少ないが、職場や日常生活からくるストレスに反応してしまう。

 

ストレスは人が感ずる不快なことばかりでなく、自分を成長させるハードルでもあるが、時にはストレスと受け止められる。他人から見れば大したことなく自分もそれは分かっていても、理屈ではなく本能がストレスに反応してしまう。

 

そして長い期間繰り返しストレスに晒されれば、自分で自分を傷つけることになる。本来命の危険から守るべく作用する感性が自分を傷つけるとは皮肉なものである。

 

ネガティブ感情が身を守る本能だとすれば、戦場においても身を守ることができれば無事の生還率が高まりそうである。しかし危険を前にして身動きがとれず固まってしまえば、命取りの危険度は更に高まる。

 

病は気から

 

実際には薬理効果のない乳糖やでんぷんなどを薬として使用する。いわゆる偽薬であるが、このような偽薬では効果が全くないかというとそうではない。効果があると信じて飲めば効果が表れることを「プラセボ効果」という。

信頼できる医者や有名な薬品会社の製品、高額であればあるほど効果が表れると信じてしまう。薬自体に薬理効果がなくても信じて飲むことで実際に効果が表れることがある。

 

このプラセボ効果は薬に留まらずサプリメント、健康ドリンク、機能性チョコレート、開運グッズ、お守り等どんなものにも当てはまりそうだ。自分で良いと思えばその効果は必ず表れる。

 

北海道大学では慢性的ストレスが消化器疾患や心疾患など様々な病気を悪化させることがマウス実験から分子レベルで発症の仕組みを突きとめたといわれるが、「病は気から」は経験的には理解されていても科学的根拠はまだまだ解明されていない。

 

ポジティブ感情を高めることが出来れば健康で、幸せに長生きできそうである。その最も有効な方法のひとつに「感謝」がある。感謝することにより心が鎮まるとともに温かく優しくなれる。単に快適なポジティブ感情とは異なる。

 

かつて各家庭には万能薬が常備されていた。飲薬として正露丸、百草丸、葛根湯、塗薬としてオロナイン軟膏、メンタームなどはプラセボ効果もあると思われる。それら常備薬に「感謝」を加えてはいかがだろうか。お金もかからず、消費期限もないので万能薬としてはうってつけである。

 

 

 

 

 

長野日報土曜コラム 平成29年10月28日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

134 病は気から

 

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