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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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投資の脅威は価格変動

 

日経平均株価は米国市場の下落の影響を受け昨日より400円の値を下げたというニュースはありそうな話である。現在日経平均株価が20,000円程度であるからたった一日で2%下げたことになる。

2%という値は預入金利と比べるとその大きさが分かる。銀行の定期預金金利は0.02%であるから、株価の変動幅はその100倍に相当する。さらに預金金利は元本に対する1年後の利息であるから、たった一日で2%の変動はとてつもない大きさであることが分かるだろう。

 

市場の変動は需給関係から発生する。供給が少なく需要が増えれば物の価格は上昇する。その物が売れるとなると生産が増えてやがて供給が過剰になる。そうなれば物の価格は一気に下落し生産が減少する。資本主義社会では需要と供給の関係から価格変動の波は常に生ずる。

新たな発見や事件、事故、スキャンダル等は市場の価格変動に影響を与える。一定の周期に準じた変動に突発的な変動が加わるので、変動を先読みして投資することは不可能と思われる。専門家でも予想が外れることは良くあることだ。

 

人の心理には自分が描いたストーリーしか受け入れない傾向がある。これからは人工知能の時代がやってくるので、関連銘柄は上昇するだろうと想像する。この自分の考えに準じたニュースは素直に受け入れるが、反対に人工知能の普及は限定的で市場への影響は少ないなどのニュースは間違っていると受け止めてしまう。

 

注目銘柄の株価が上昇し続ければ想定通りだが下落をしても調整局面を迎えただけですぐに上昇し始めると想定する。ところが下落を続ければ自分の想定外の現象を直視できなくなる。間違っている自分に気付かず、また認めようとしない。

想定外の現象から裏切られた気分になり、不愉快になり不機嫌にもなる。これらネガティブ感情から人は不幸せに陥る。

 

上昇を期待したポジティブイメージは簡単に裏切られ、実際に損失として現れればダメージは精神と現実のダブルパンチを受けることになる。こんなことを繰り返し経験すれば投資は人を不幸にさせ、さらに損失を負わせる悪の仕業と受けるようになる。

 

どんなに低金利で利息が殖えることがなくても預金は減ることがない。裏切られることがなければネガティブ感情を抱くこともなく不幸せにならずに済む。投資が容易に受け入れられないのは、結果の損得より価格変動による不幸せが大きく影響している。

 

荒波を打ち消す

 

相場に現れる波は上昇と下降の2種類しかない。単一の要因で発生することもあれば、いくつかの要因が複合され発生することもある。波は思惑、期待、錯覚などから生じ、実際に期待未満の実績であれば下降の波に変わる。とにかくいつどんな波が現れるか誰にも分からない。

 

よって、投資ではどんな波が現れても対処できるようにしておきたい。それはひとつに絞ったり偏った投資ではなく「分散投資」が望ましい。分散には投資する対象物を分散することと投資する時期を分散する2つの方法がある。

 

一般に株式と債券は反対の動きをするので双方を組み合わせて投資する。また国内と海外では値動きが異なり、さらに海外では米国を中心とした先進国と新興国を組み合わせて投資する。異なる波を持つ投資対象を組み合わせれば打ち消し効果が得られる。(時には共振して大きくなることもある)

 

次に時間分散では一時一括投資ではなく、例えば毎月一定額を投資する方法があり、これを「ドルコスト平均法」という。価格が変動するものに毎月一定額を投資すれば、価格が安くなれば大量購入ができ、価格が高くなれば少量しか購入できない。

 

安くなったら多く仕入れ、高くなったら少量の仕入れしかしなければ、仕入れの平均コストは下がるはずだ。個人が長期に渡り投資を継続する方法として投資平均コストを下げることは理に適っている。安く買って高く売れれば利益は大きくなる。

このようなドルコスト平均法を用いた投資方法はいくつかある。「積立投信」は毎月投資信託を購入する方法である。投資信託の基準価格は日々変動するので、毎月一定額(一万円程度)を拠出し基準価格の高低により購入口数が増減する。

 

購入時の価格とともに既に保有している投資信託も変動する。この際保有している投資信託による分配金は再投資され複利効果が得られるので、一層の投資効果が期待できる。

「確定拠出年金」では運用は積立投信と同様であるが、掛金が所得控除の対象になり、運用益が非課税と税制上の特典が与えられている。

 

「持株会制度」は従業員が勤務先の株式を毎月ドルコスト法を用いて購入していく。企業としては安定した個人投資家を増やしたいことから奨励金を付与している。これは毎月の投資額以上に自社株を購入することができることになる。

 

変動するものに一定額を投資する方法として他には「変額保険」があり、毎月一定額の保険料に対して、積立金の運用は投資信託と同様に株式、債券、不動産等に投資される。よって保険金額及び解約返戻金は運用結果次第で上下する。また変動する金、プラチナ、銀等に毎月一定額投資するのが「純金積立」である。

 

ドルコスト平均法は売買のタイミングと相場の上昇や下落をほとんど気にせずにいられる。精神的には上昇局面では保有資産が増加し、下降局面では安値買いができると落ち着いた気分でいられる。心理面でも上昇気分と下降気分を打ち消すことで安定した気分状態でいられる。

 

個人が長期に渡り投資する方法として、毎月一定金額を価格変動するものにジャンルを分けて積立投資する。これまでの積立を銀行から証券会社に変えるだけである。

 

投資は辛抱

 

投資の目的は資産を殖やすことである。そのためには長期分散投資が適している。しかし、投資では資産が変動することは確かであるから余裕資金で投資を行う。余裕資金とは現在は不要でも将来必要となる資金である。投資は将来のために資産に働いてもらう活動である。

分散投資を行えば投資対象や投資時期の波を小さくすることができる。これはリターンを向上させるためではなく心理的な安定を得る方法である。長期に渡る投資行動にその都度心が揺さぶられたら心だけでなく身体まで悪影響が及ぶ。その時々で適切な判断を行うためには安定した精神は欠かせない。

 

しかし、相場は短期では大きく変動する。下がったものは上がるだろうと分かっていてもいつどのくらいに上がるのか先のことは分からない。このままずっと下がり続けたらどうしようか不安になる。

投資を長期で継続すると上下の変動を経験する。時にはバブル崩壊やリーマンショックなど100年に一度といわれる大波乱も経験するかもしれない。専門家は想定外の事象が発生したと論じるだけで慰めにもならず、自分の失った資産はすぐには戻らない。

 

やがていくつかの変動を経験するうちに自身に変動に対する慣れが生じる。そして「下がったものはそのうち上がる」「下がったときこそ買いのチャンス」と楽観的に受け止められるようになる。このような経験を重ねれば変動は当然あるものと受け止められ、投資を通じて物事を複眼的に見ることができるようになる。楽観性が身に付けば、日常生活も細かいことでくよくよしないポジティブに過ごすことができるだろう。

ギャンブルはドキドキ、ワクワクしながら興奮や快楽が得られるが、投資は地味でかつ忍耐や辛抱を必要とする。コツコツと地道に投資を続けた者がしなやかな精神と豊かな果実を手にすることができる。

 

 

 

 

長野日報土曜コラム 平成29年6月24日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

130 シンプル投資法

 

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