プロフィール
プロメトリック
試験会場
営業時間
9:00~17:00
定休日 日曜日
年末年始、お盆、連休
information
メールマガジン
長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
平成26年
平成27年
平成28年
平成29年
平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
125 修練・奉仕・友情
126 穏やかだけではつまらない
127 苦境を乗り越える
128 合理的にはいかない
129 投資の心得
130 シンプル投資法
131 投資とライフプラン
132 感謝は力なり
133 虎穴に入らずんば虎子を得ず
134 病は気から
135 友達は大切
136 資産形成はシステム
平成29年
長期投資家は少数派
投資経験がある人は5人に1人といわれている。投資経験はあるが現在投資を行っていない人も含まれる。たまたま金融機関窓口で投資信託を勧められ購入し継続している人もいるだろう。長期に渡り自己判断で投資を継続されている人は一体どれだけいるだろうか。
どうして自ら投資行動が起きないのか、投資に対する考えを集めた。
投資は金持ちが行うことで、一般人には関係ない投資はギャンブルと同じで僅かに儲かっても大半は損をしている損をするのは嫌なので、殖えなくても減らないほうが良い投資を始めるにはある程度まとまったお金が必要である
専門知識がなければ大やけどをする自分は数学が苦手なので投資には向かない投資で儲けたお金は身に付かず浪費してしまう。
投資に対して否定的な表現が多い。投資を継続していれば肯定的な意見が出てくるだろうが、投資経験がなければ投資を否定し、投資をしないことを肯定するのは当たり前かもしれない。投資をしないことが「善」であり、投資をすることは「悪」である。投資に近づかないことがお金を守る処世術であるようだ。
投資もギャンブルも先が見えないところは同じであるが、ギャンブルの勝敗は一瞬で決まり、結果は運任せである。ギャンブル中は興奮に酔い、ワクワク、ドキドキしながら夢中になり、快感を得ている。
一方投資は相場が上がると思えば下がり、下がると思えば上がるように自分の期待と異なる結果にイライラする。下がり続ければ苦労して貯めたお金が短期間で3割以上も減ることがある。このような精神的ダメージに耐えなければならない。
また、ひとつに集中投資すればリスクは高まるので、投資の種類、銘柄、時間を分散する。投資対象が1つ2つ減少しても他で増えていればよいという考えである。これは勝った負けたという一瞬で決まる勝負と異なりすっきりしない。
投資ではメンタルの強さが試され、儲かったとか損をしただけでなく精神的忍従が強いられ、長期に渡り継続することがますます難しくなる。
儲けるコツ
投資は本当に儲かるのかという疑問が常にある。担当者は調子の良いデータだけを見せて顧客を集め手数料稼ぎをしているのではないかと疑ってしまう。バブル崩壊前の日経平均株価は約40,000円それが27年経った現在20,000円の半分にしか戻っていない。これで本当に儲かるのか疑いたくなるのはもっともである。
企業の経済活動は「拡大再生産が常に行われている」ことは間違いない。資本主義経済下では80円で仕入れたものを100円で売って利益を得る活動が行われて企業は存続する。
一方「株式の長期分散投資の収益率は12%に収束する」といわれている。短期、単一銘柄では変動が大きいが、長期分散投資では損失と利益が互いに打ち消し合いながら成長をする。この2大原則が貯蓄を上回る利回りを投資が生み出している。これらは過去の実績や理論に基づいている。
金融、経済、為替等難しいことはさておき、単純に儲けるには「安く買って高く売る」ことだろう。売買差益が儲けとなる。そんなことは誰でも知っているが、いつが安くていつが高いのか分からない。
株式でいえば下がっているときは経済が低迷しているときである。株価は将来の期待値を表すので、将来企業利益が上昇すると思えば上がる。
売買において昨日より今日のほうが下がったので今日は買い時であるが、明日はもっと下がると思えば買う気になれない。下落傾向期にお金を投ずるのは溝にお金を捨てるようなものだ。
下降トレンドに基づけば明日は更に下がるだろうと予想する。この予想が意識を決定付け買いの行動は起きない。
本来一週間も連続して下げていれば絶好の買いのタイミングである。一週間前と比べたら既にどれだけ安くなっているのだろうか。まだ下がるかもしれないが、これまでに十分下がったので一週間前に比べたら良い買い時期であることは間違いない。
株式では配当金、投資信託では分配金が定期的に支払われる。その金額は多少のブレはあるがほぼ毎回一定である。会社の決算がよほど悪くなければ支払われる。株式であれば保有株数に応じて支払われるので、株式を安く購入すればその利回りは高くなる(配当利回り)。
これから株式を買おうとする人にとって株価の下落は朗報である。もっと下がれもっと下がれと願っているだろう。
株式投資をされている人は既に株式を保有している。保有している立場から言えば、下がることなくもっと上がれもっと上がれと願っているだろう。
株式投資は下がったら買い、配当を受取りながら上がるのを待ち、上がったら売るのが儲けるコツである。どれだけ上がるか下がるか、それはいつやってくるのか誰も分からない。確かなことは下がったら上がり、上がったら下がることは波のように繰り返される。
ポジティブを好みネガティブを嫌う
人はポジティブを好みネガティブを嫌う傾向がある。ポジティブには前向き、積極的であり、美しい、明るい、芳しい、優しい、心地よい、美味しいなどプラスイメージがある。一方ネガティブには後向き、消極的であり、見苦しい、汚い、臭い、騒がしい、不味い、荒れているなどマイナスイメージがある。
これは人の本能によるもので全ての人に共通している。そしてポジティブとネガティブのどちらに敏感かというとネガティブである。
これは外敵から身を守るためにネガティブ感覚を敏感にしておかなければならない。傷口に痛みが感じられず放って置いたら、さらに悪化しやがて機能しなくなるだろう。動物に共通する種の保存原理が人にも働いている。
ネガティブ感覚はポジティブ感覚より2倍以上ダメージがあるといわれている。ショックが大きければ記憶に残り続けることになる。
この感覚を投資にあてはめると、投資では常に期待が裏切られ、長い時間忍耐を強いられるネガティブ感覚を味わうことが多い。ギャンブルでは短期間で勝敗が決定し、ワクワク、ドキドキ、我を忘れるくらい夢中になれる。これは正にポジティブ感覚である。
勝敗の結果はギャンブルでは運がなかったと諦め、投資では自己責任として受け止めなければならない。損をした結果を素直に受け止めるには、相当のポジティブ感覚を自身で備えていなければ、ネガティブショックを解消できない。
貯蓄では殖えないというポジティブ感覚はないが、決して元本を割ることがないのでネガティブ感覚はない。ネガティブ感覚は2倍以上のダメージがあるので、殖えなくても減らなければ良いという感覚になれる。
投資は種類、銘柄、時間を分散する必要がある。現在株式銘柄4,000本、投資信託6,000本が上場している。普段聞きなれない専門用語や投資対象の多さにうんざりする。選択肢が多すぎて自分で消化できないと思考は停止する。面倒くさいというネガティブ感覚から投資を敬遠し、とりあえず貯蓄を選択する。
投資を始めたら偶然利益が出続けたら、他人のせいではなく自分の手柄にしがちである。これも人の特性であるが、大暴落時にはパニックに陥る可能性が高い。パニック時は精神だけでなく身体にも影響が及ぶことがある。
長期に渡り投資を継続している人はおそらく相当のポジティブ感覚を備えているだろう。相場が下がってきたら買い時、上がってきたら売り時と感じている。時に損失が発生したらそこから学び、経験に加える。そして貯蓄以上の利回りを得ているだろう。
長野日報土曜コラム 平成29年5月27日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
129 投資の心得
有限会社テヅカプラニング 〒396-0013 長野県伊那市下新田3110-4 TEL0265-72-1846 FAX0265-74-7722
Copyright(C) Tezuka Planning Corporation. All Rights Reserved