プロフィール
プロメトリック
試験会場
営業時間
9:00~17:00
定休日 日曜日
年末年始、お盆、連休
information
メールマガジン
長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
平成26年
平成27年
平成28年
平成29年
平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
113. 長期投資家は幸せ者
114. 選択制確定拠出年金
115. 持続的幸福感の増大
116. 幸福感を高める
117. 人生を明るく豊かにするポジティブ心理学
118. 明るく働き甲斐のある職場づくり
119. 日本的ポジティブ感情
120. 煩悩は常に悪とは限らない
121. バランス感覚は大事
122. 果報は自力で引き寄せる
123 こだわりは長所か短所か
124 年の初めの資産管理
平成28年
122 果報は自力で引き寄せる
原因と結果は一対
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺は、あることが原因となりその影響が廻り廻って意外な結果に結びつく例えである。当てにならないことを期待した例えでもあるといわれている。
一方ライフプランではかなり高い発生確率の原因と結果が存在する。子が生まれ素直で良い子で育てば、成績優秀で進学校に進み、やがて大学にも進学することになる。
現在大学の進学率は40%を超え短大、専門学校を合わせると73%になるので、風が吹けば砂埃が舞うくらいの高い確率である。
またマイホームを取得すれば住宅ローンを抱えることになる。勤労者世帯で住宅ローンのある家庭は40%を超える。勤労者が全て住宅を持つわけではないので、住宅を持っていて住宅ローンがないのは、親の家に住んでいる、親からの贈与で購入、自己所有の一時金で購入などであろう。
マイホームを持てば住宅ローンは30年くらいの返済が続き、固定資産税、修繕維持費、火災保険料、居住地との付き合い費用等も発生する。
自動車でも同様のことがいえる。高級車を購入すればエコカーに比べ燃費は良くないので燃料代は高くなる。さらに自動車税、車検代、保険料、タイヤ等の消耗品も高級車であれば高くなる。乗用年数が長くなればその分費用はかさんでくる。
子や住宅、自動車は本人の選択の余地はあるが、老いは全ての人に訪れる。老いれば仕事ができなくなり収入が得られない。仮に仕事ができたとしても若い人と同じようにはできない。
老いと共に身体はあちこち痛み始め、ケガや病気になる可能性は高くなる。そうなれば病院等にかかる医療費の負担は重くなり、やがて看護や介護の世話を受け費用は更にかさむ。
このように将来のライフプランとお金を重ねると暗く憂うつになるので、あまり考えたくない。あえて考えようとしない、疎ましく感じてやがて避けようとするだろう。
そして突然届いた請求書にうろたえて、思考回路がショートすればパニックに陥りやすい。パニックに陥れば他人からの信頼を失い、切り捨てられ、自暴自棄になり、友人知人、家族までも失うことになる。一旦人生の歯車が逆回転をし始めると既に慣性が生じているので、簡単に正回転には戻れない。
ここまで読んでいるとますます暗くなってしまうので補足訂正をすれば、子にはかけがいのない思いがあり、住宅や自動車による夢の実現や便益がある。老いは人生の最終形態であるが、それまでに数多くの喜びがあった。決して悪いことばかりではないが、原因があればそれに伴う結果が必ず現れる。
つまずき防止は目標設定
ライフプランでは原因があるから結果が生まれるので良い結果を生むためには、それに応じた目標設定が必要になる。
予め目標を定めてから目を閉じて室内の壁から壁まで歩いてみた。2,3歩踏み出すと少しふらつき、軌道修正しようとして反対側に大きく踏み出しても、目標にしていたところから大分ずれていた。
何度か試すとずれは多少減少した。目を閉じても左右のずれを修正するコツがつかめてきたのだろう。障害物がないと分かっていても目を閉じて歩くことは怖いものだ。
ところが目を開けていれば、右にずれたと分かった瞬間、次のステップは左にやや大きく踏み出している。現状を認識しながらバランスを取り、真直ぐに目標に向かって進むことができる。
目標にたどり着くには目標をきちんと定め現状の位置を確認して前進することである。障害物が現れれば立ち止まり行き過ぎるのを待つか、身をかわして避けるなどの行動を取る。最近注目される自動運転技術と同様である。
日常の生活ではどうだろうか。我家ではどんな目標を持っているだろうか。
企業では今期初めに売上高、利益率、稼働率等各種の数値目標を立て具体的な活動計画に反映させる。期の途中で目標の達成度を確認しながら、各種の目標値や活動計画を修正する。
企業であれば利益の最大化が最終目標になるが、個人の場合お金で計れない部分が目標になることがある。
会社では常に計画、実行、修正、反省を繰り返しているので、家庭において同様な手法は躊躇するかもしれない。しかし何もしなければいつしか子は大きくなり、部屋は手狭になり、車も故障しがちになる。
それでは人生における目標はどこに置くのだろう。有名大学に入学する、一流企業に就職する、お金持ちになるなどは長い人生の中間目標でしかない。更にその先の人生の終焉に立って振り返るならば、満足できる人生、幸せな人生となるだろう。
来年がどうなるかも分からない現在に10年先更に20年先など全く分からないかもしれない。想像がつかないというよりは、想像できない、想像しようとしないのではないか。想像しても仕方がないし、想像することが面倒くさい。面倒くさいことは煩わしいことであるので、進んで行動を起こそうとはしない。
よって成行まかせ、その時になれば何とかなるだろうと思い込ませる。そんな煩わしく、当てにできないことに時間と労力を割くことは無駄と考えるようになる。
人生は90年と長く、その間多くのイベントがあり、イベントは人生の夢や希望でありまた障害物でもある。就職、結婚、出産、住宅、養育、退職、老後、相続などはほとんどの人が経験するイベントである。
これらは全てお金が絡んでくるので、お金の多寡で軽く乗り越えられたりつまずくこともある。つまずきを減らすためには自分なりの目標設定が求められる。
バランス感覚は現状認識とリスク感覚
一度決めた目標であってもすでに達成し終えたり年を重ねて変化してくる。また障害物が現れれば変更しなければならない場合がある。
道路走行中レーンを外れればガードレールに接触し、車体が傷つき勢いがあればガードレールを突き破り転落する。そうなれば打撲、骨折運が悪ければ死に至ることは、車を運転する人は誰でも知っている。
安全と思われる家の中でも階段の踏み外しやこたつ布団や室内に散在している物につまずいてケガをすることが多いことも知られている。ケガとまではいかないにしても、机の角に足の指をぶつけた時は痛みと共に情けなく腹立たしい。
ガードレールや障害物を認識して避ければなんてことはないのに、気付いていない、無いものと思い込んでいるところに事故は発生する。
身体機能が優れている若者はとっさの判断でハンドルを切り、身をかわすことができるが年を重ねてくると機敏な動作はできなくなる。
事故にあわないためには自分自身の体調を含め現状を認識して、リスク感覚を持って行動することだ。
このことはライフプランにも共通する。宝くじで当たったお金がすぐに消えてしまうのは、身の丈に合わないお金の使い方による。更に借金までしてまた宝くじで一発当てようとするのは、現状認識とリスク感覚の欠如といえる。
リスク感覚は既に経験したことには働くが、未経験のことには働かない。未来に向かって生きていく事は未経験の事象ばかりである。
そんな中でリスク感覚を働かせるには経験者の話に耳を傾け、こうしたらどうなると想像を働かせることである。自分にとっては初めてでもこれまで似た出来事が繰り返された。
良い人生を送るには現状認識、目標設定、バランス感覚を活かし、自分の現状から良い目標に向かって出来る範囲の良い事をすればやがて自分に果報が訪れる因果応報はあると思われる。
長野日報土曜コラム 平成28年10月22日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
有限会社テヅカプラニング 〒396-0013 長野県伊那市下新田3110-4 TEL0265-72-1846 FAX0265-74-7722
Copyright(C) Tezuka Planning Corporation. All Rights Reserved