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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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98 自動車を手放すとき

98 自動車を手放すとき

 

自動車の販売台数が減少

2013 年の軽自動車を含む乗用車の販売台数は 537 万台である。20 年前の 1993 年は 646 万台、10年前の 2003 年は 582 万台であった。20 年前に比べ 17%も販売台数が減少している。

少子高齢化が進行し自動車に乗る人が少なくなったからだろうが、若年者の自動車離れが拍車を掛けているといわれる。

 

かつて 18 歳を迎えれば誰もが運転免許を取得し、同時に自動車を購入した。社会人であればローンを組んで新車を購入したものだ。自動車で仲間と出かけるドライブは大きな楽しみであった。

憧れの的はスポーツカーであり、車の馬力が中心の値であった。馬力はエンジンの性能によって表されるので、ツインカムやターボチャージャーなどが注目されていた。現在みたいに燃費を気にすることはほとんどなかったと思われる。

 

やがて自動車に対する嗜好が変わり、速さだけでなく生活全般に機能を発揮するRVやSUV車に移っていった。そして近年ガソリン価格の高騰や地球温暖化対策からエコカーが主流になってきた。

若年者の車離れの原因として娯楽の多様化が挙げられる。車で外に出かけるのではなく、家でパソコン、ゲーム、スマホなどが新たな娯楽となった。車を持たないことはさして格好悪いことではなく、必要なときはレンタルすれば良いと考えるようになったのだろう。

また若年者の就職難から定職に就けなければ、車の取得および維持が難しくなる。

 

自動車にかかるお金

 

若年者の自動車の取得が減少していると言われるが、どのくらい自動車にはお金がかかるか調べてみた。

まず自動車の取得時にかかる費用として車両本体価格、自動車取得税、

自動車重量税、自賠責保険料、新規登録料、リサイクル費用、販売諸費用等がある。車検時にかかる費用として自動車重量税、自賠責保険料、継続登録料、整備検査費用、修理部品代等がある。

 

そして自動車を保有していれば毎年かかる費用として自動車税、自動車保険料(任意保険)、燃料費、駐車場代、高速道路を含めた有料道路代、消耗部品代等である。

自動車の車種や使用状況が異なれば当然費用も異なってくる。土日だけのレジャーのみと通勤使用、業務使用ではかかる費用はずいぶん違ってくる。

 

そこで前提条件として 1 年間の走行距離 10,000km そのうち高速道路 2,500km、取得してから 10 年間

保有、車検は 2 年毎として車種ごとに 1 年間にかかる費用を算出した。

ミニバン 75.7 万円軽自動車 40 万円 2 台合計で年間 115 万円となる。もしこれを 20 歳から 80 歳まで60 年間で保有し続けたとすれば 6,900 万円になる。さらに事故や故障で支出が増えれば 7,000 万円を超える金額になる。これは2軒分の住宅に匹敵する金額である。

 

ミニバンと軽自動車は子供がいる家庭の平均保有スタイルと思われる。軽自動車が小型自動車になり、ミニバンが普通車や高級車になればかかる費用はさらに上昇する。人生には住宅、養育、老後の3大支出があるが、4大支出に訂正しなければならない。

まさかこんなにかかるとは思ってもみなかった。自動車関連支出はその都度まとまったお金の遣り繰りが大変だとは感じていたが、数値に表して改めてその大きさに気付かされた。

 

趣味を兼ねた必需品

 

改めて言うまでもないが自動車は私たちにとって必需品である。買い物や子供の送り迎え、通勤、休日のドライブ、家族旅行など自動車がなければ全て叶わないことである。どこに行くにも自動車に乗って出かける。

歩いて行ける場所にあるスーパーにしても荷物があるから自動車を使う。近所に回覧板を届けるにしても雨が降っているから、気温が低いから自動車を使う。バスや電車で行ける所であっても、自分の都合の良い時間で出かけられるから自動車を使う。地方では歩くことを極力避け行ける所まで自動車を横付けする。

 

一方自動車は必需品以外に趣味の側面を持っている。数年毎モデルチェンジが行われ、新型車には新技術に基づく装備が組み込まれスタイルも一新される。

エンジンの出力だけで走行していたところが蓄電池とモーターを組み合わせたハイブリッド車が現れ、前方の障害物を感知して衝突を避ける機能が備わり、自動車にカメラがセットされ全自動運転車が実験走行されている。やがてナビゲーションに目的地をセットすれば自動的にたどり着くことが出来るのだろうか。

 

新型車が発表されれば現在乗っている自動車が陳腐に見えてしまう。どんなに高級車であっても比較すれば新型車のほうが良く見えてしまう。これまでの満足度が低下すれば、それを元に戻すべくなんとしても新型車を手に入れようとする。

モデルチェンジが行われるたびに同じ車両を購入する人がいるが、自動車に対して常に満足感を満たしたい人の行動と思われる。

 

新技術は安全性、走行性、省エネ性などが取り入れられるので、感覚的なものだけでなく論理的に納得させられてしまう。燃料代が高くなればエコカーに人気が集中し、エコカーではドライブの楽しさが物足りなければ加速性、高速安定性を重視した新型車が生まれてくる。Be a driver Fun to drive に象徴される自動車が注目される。

新型車ではないが超高級車に魅せられる人もいる。知人の一人がかつてベンツからフェラーリに乗り換えた時、あのエンジンの音には魂を揺さぶられてしまい、一度経験したら脳裏に焼きついて離れないと言っていた。さらに助手席には誰も乗せない、雨の日は運転しないと言っていたことを思い出す。

乗ったことがないので分からないが、そこまで人を惹きつける自動車かもしれない。そのような自動車は本体価格ばかりでなく維持費も相当高くつくだろう。

 

趣味や道楽は金に糸目をつけないと言われるが、自動車を趣味にすれば使用目的別に保有するかもしれない。当然屋根付ガレージが必要になるので敷地も広くなる。一体いくらかかるのか想像もできない。

 

自動車は高齢者の生き甲斐

 

最近高齢者の自動車事故が目立つようになってきた。

高速道路の逆走はほとんどが高齢者といわれている。高齢者になれば視力、聴力、判断力が衰え、事故を起こしやすくなる。

先日病院の待合室で懐かしい人と偶然出会った。懐かしさのあまりその人は周囲にはばかることなく話し始めた。80歳を過ぎたので免許証を返納して自動車を運転することを止めたと話し出した。

 

これまで比較的高級車を乗り続けていたので、自動車を手放すと多少不自由になったが、お金がかからずに生活できると喜んでいた。運転を止めたきっかけまでは聞けなかったが、理にかなった勇気ある行動に思えた。昔から衝動に流されることなく理屈に基づいた行動を取る人であったが、年をとってもその姿勢は相変わらずであったことが嬉しかった。

 

高齢者になれば歩くことが不自由になるので、歩行を助ける意味から自動車は重宝である。病院に行く、温泉に行くことが一人で行動できれば家族は手間がかからず助かる。

また外に出て多くの人と会話することが楽しみであり生き甲斐でもあるので、若年者以上に自動車は高齢者には必需品である。しかし家族は高齢者が自動車で出かけたと知ると無事に帰ってくるまで心配である。周囲に対する心配や迷惑を考えるとどこかで自動車を手放すことが望まれるが、本人以外は決められない。自分の存在

や生き甲斐にかかることなので容易に手放すことは出来ない。

 

長野日報土曜コラム 平成 26 年 10 月 25 日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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