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96 旅は人生を豊かにする

96 旅は人生を豊かにする

 

可愛い子には旅をさせよ旅とは住む土地を離れて、一時他の場所へ行くことである。日ごろ買い物や通勤などで通う場所へ行くことは旅とはいわない。旅には目的地がある場合もない場合もあるが、そこまでの行程も旅である。

子供が可愛かったらつらい旅を経験させよと諺にある。旅には普段と異なる想定外の事象が発生し、また危険が伴うこともあるので、慎重さや注意深さが鍛えられるということだろう。

 

また他人に何かを尋ねるには、正確にこちらの意思を伝えなければならないし、謙虚な姿勢でなければ必要な情報は得られない。コミュニケーション能力も同時に鍛えられることになる。

親からみれば子供はいつまでも子供であり、どんなに短い期間であっても泣いたりしないか、迷子になったりしないか、事故にあったりしないかと不安が一杯である。親としても子供への信頼が試されることになる。

 

子供の連れ去り事件が多発する昨今では、学校や塾への送り迎えが親の役割の一部となり、知らないところへ子供の一人旅は難しいイベントかもしれない。

一方、成人してから一人旅というと傷心旅行と思われることがある。職場、人間関係、家庭、地域等で傷ついた心をリセットし癒すために旅に出かけることである。いつもと違う場所で見知らぬ人と出会うことで狭くなっていた視野が広げられる。

 

新たな気付きによりこれまでの考えを変えることが出来れば、本来の自分に戻すことが出来るかもしれない。

さらに一人旅というと自分探しの旅があげられる。傷心旅行と同様に職場や人間関係の中で自分自身の評価に満足が得られず、もっと自分に適した何かを探そう出かける。

多くの場合不満要因の原因は自身の中に存在するので、そこに気付かなければ何も変わらない。単に現実からの逃避であり、お金と時間を無駄に使うだけだという厳しい意見もある。

 

節目における旅

 

学生生活が終わりこれから社会人になろうとする若者が卒業旅行に出かけることがある。卒業して企業に就職すれば長期の休暇は取りづらくなる。個別に私用で休暇が取れるのは慶弔や体調不良など特別の事情の場合くらいなので、学生生活の締めくくりとして旅に出かける。

一人旅より気の合う友人と出かけることが多い。これまでの学生生活を振り返りながらこれからの社会人生活の期待と不安を語り合うのだろう。

 

学生ならば割安な時期にネットを通じて見つけられる。旅行代理店も卒業旅行向けのパッケージ企画を用意している。2月から3月が多く、同時期はヨーロッパなどではまだ寒いため、東南アジアからオーストラリア、ニュージーランドなどが行き先としては人気がある。

ところがこの卒業旅行が最近減ってきたといわれている。2008 年リーマン・ショックの後就職氷河期を向かえ旅行に行くための精神的、経済的余裕がなくなってきたからと思われる。

 

学生時代の友人は生涯を通じた友人になるので、貴重な体験のチャンスを失うことになりかねない。旅行がなくても生涯の友人になるとしても、旅をともにした友人とは機会あるたびに旅の思い出が語られるだろう。

人生の節目の旅といえば新婚旅行もその一つである。かつては熱海、白浜、日南辺りが国内では定番であったが、現在ではグアム、ハワイなどのリゾート地、ラスベガスなどのギャンブル、世界遺産めぐりのヨーロッパなど多様化している。

 

羽田空港の滑走路増設から海外直行便が増えたが、以前は海外への窓口は成田空港であった。新婚旅行とともに成田離婚という言葉が生まれた。

新婚旅行中のトラブルがきっかけで帰国し成田空港に到着後離婚することをいう。旅行準備は主に女性任せであり男性は旅行日程に合わせるべく仕事の遣り繰りに前日まで追われている。

 

旅行に夢を膨らませた女性は、男性の準備不足や些細な出来事への対応の未熟さに呆れてしまう。

そんなすれ違いからこの人と一生共にするのは無理と判断し離婚を切り出す。

また結婚式、披露宴、新婚旅行とお金がかかることから旅行自体を行わないカップルもいる。決して経済的に旅行が不可能というわけではないが、既に独身時代に多くの海外旅行を経験し、改めて行ったことがある場所にまた行くことを敬遠するのだ。そんなことにお金を使うくらいならば、マイホームやマイカーにお金を回したいと考えたのだろう。

 

人生は旅そのもの

 

人生を旅にたとえられることが多い。行く先々で多くの人と会い、今まで見たこともない建造物や遺跡を見ては感動する。人との出会いを通じて感謝しながら一人では生きていけない社会を改めて感ずるのである。

旅には始まりがあって終わりがあるように人生も同様である。限られた時間を自分がどのように過ごすかは自分次第である。

 

また見知らぬ土地では想定外の出来事はつきものである。その場そのときの判断で対処していかなければならない。その判断を間違えると痛い思いをすることもある。

エッセイや旅行記には作者の旅先で感じたことが、作者なりの感性に基づいて表現されている。賑やかな活気のある市場であるにもかかわらず伝統の中に哀愁を感じたなどと表わされている。

 

人生の不確かな将来と旅先の想定外の出来事は似ているところもあるが、旅先においては一人の旅人でしかない。旅をする時間とお金に恵まれているので、こうして旅を続けられる。

また旅の恥はかき捨てといわれるように言動に責任が伴わない。日常生活で負っている義務や責任がなければストレスの程度は軽い。身の危険に注意を払えば大胆な行動も取りやすい。旅と人生は似ているところもあるが、人生そのものといえる人は僅かかもしれない。

 

夏のヨーロッパに行くと観光地を除いて多くの店が閉まっていることがある。日本人からみればかきいれどきに何故開けないのかと疑問に思うかもしれないが、夏季は商売をしている人達にとっても待ちに待ったバカンスである。

日本のお盆休みは 1 週間程度であるが、ヨーロッパでは 1 ヶ月間のバカンス休暇をとる。バカンス中はマイカーや割安航空機などで近隣国の別荘やコンドミニアムで過ごすということである。そこでは特に何もする訳ではなくのんびりと家族と自炊しながらリフレッシュするということだ。

 

このバカンスを楽しむために日々忙しさにも耐えられるのだという。人生はバカンスを楽しむためであり、バカンスのない人生はあり得ない。そうなると人生は旅そのものといえるかもしれない。

 

行かなかった旅に後悔する

 

末期がん患者が死を直前に迎えて人生を振り返り語った内容が紹介されていた。自分の人生は良かったと言いながら、やっておけばよかったと後悔している内容である。

「なにかひとつでも目標を達成すればよかった」「子供たちに好きなことをさせてやればよかった」「あんなにがむしゃらに働かなければよかった」「もっと自分を大切にすればよかった」「もっと家族と一緒に時間を過ごせばよかった」などである。

 

そして多くの患者が語っていたのが、「もっと家族やパートナーと旅しておけばよかった」である。仕事の忙しさを理由に先延ばししてきた結果とうとう行けずじまいになってしまった。

もっと若いうちに勉強して高学歴になっていれば良かったという後悔は少なく、やろうと思えばいつでも出来たことをやらずに終えることが後悔の中心である。また出来なかった「事」に対して後悔はしても、取得できなかった「物」に対する後悔は一切ない。

 

旅行なんてお金がかかるし、見知らぬ土地では気を使うし、疲れるばかりで後に何も残らない。物はいつも目にする手に取ることが出来るし便利だと思うが、長い人生の中で一瞬でしかない旅は記憶の中で輝き続けるものだろう。

 

長野日報土曜コラム 平成 26 年 8 月 23 日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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