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81 職場の人間関係

退職理由は人間関係

 

国民生活白書によれば、入社3年以内に大卒の新卒者の3割の者が退職し、高卒の場合は5割近くの者が退職しているというデータがあった。せっかく正社員になったのだからもったいない、もう少し我慢すればよいのにと思うかもしれない。

 

若者はわがままで辛抱が足りないと年配者には映るかもしれない。人生経験が年配者に比べ少ない若者は、要領が悪い。純粋ゆえに理想が先行し、現実にうまく対処できないのだろう。年配者は自身の経験に基づいてそのように思うかもしれない。

 

しかし、若者に限らず中途退職理由を調べてみると、給与や福利厚生より人間関係が優先されている。

退職理由の第1位は「上司・経営者の仕事のやり方についていけない」23%、第2位は「労働時間、職場環境が不満だった」14%、第3位は「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」13%、第4位は「給与が低い」12%などである。

 

上位3項目で退職理由の5割を占め、そのうち第1位と第3位は人間関係に根ざすものであり、この2項目で4割に達する。

 

これまでに会社を辞めたことのある人は、建前は勤務地が希望と異なるとか、キャリアアップしたいとか、地元に帰りたいとか、差しさわりのない理由を挙げるが、本音は人間関係の不協和が主たる原因になっていることがある。

 

自己都合で会社を辞めれば雇用保険の基本手当が3ヶ月間ほど支給されるが、その間に人間関係の良好な職場を見つけることはなかなか難しい。給与も人間関係も更に厳しい現実と向かい合わなければならない。

 

良い人間関係を築くため

 

良い人間関係は職場に限らず社会生活全般に共通する。人間関係の特徴を理解していれば、今後の生活のリスクを回避することが出来る。

 

人は相手から何かをされると、必ずお返しをしたくなる。これはお返しをしないと悪い人と思われるのを嫌うからである。この習性を「返報性」といい、これを人間関係構築に用いるならば、仲良くなりたい人には、まず何かを与えることである。何かは物でも親切でもよく、相手が喜ぶことであればなんでも良い。

 

与え続ければ相手はお返しをしなければ気が済まなくなる。こんな行動が自然と出来るようになれば、人間関係において敵は少なくなる。観光地で多くの土産物を買って友人・知人、隣近所に配るのは、この返報性からくる習性とすれば、女性のほうが人間関係を上手く保つ術を心得ているのかもしれない。自分の利益を得ようと考えれば、まず相手の利益を優先するということになる。

 

また人は一度構成した思考や自分の主義を他人に公表すると、その主義に無理やり合わせた情報収集を行なう習性がある。自分はこのブランドの洋服しか着ないと言ってしまえば、その店に行って自分の好みを合わせようとする行動である。

 

また、一旦相手を好きになると、好感が高まる情報は吸収するが、好感を下げる情報は廃除されるということである。そのようなことから最初の第一印象はとても大切である。最初に良好と思われれば、その後は良好な人間関係が築きやすくなる。

 

相手の色眼鏡に適うようなコミュニケーションをとらなければ、どんなに素晴しい正論を唱えても受け入れられる可能性は低くなる。

 

人は物事を理屈より感情で判断することが多い。嫌いなタイプと好みのタイプの者のプレゼンであれば、好みのタイプの提案が受け入れ易いのは当然である。

 

好みと感ずる基準は外見や自分と似ているという類似性、お世辞、接触回数、共同作業の体験、すでに好感を持っている人が互いの友人などである。

 

どれかひとつでも好感が持てると、そのイメージが他の面まで良好と評価してしまう「ハロー効果」が生まれてくる。

 

次に人は自分が決めたことには責任を取らなければならないと思う傾向がある。最初の提案に予想外の変更があったとしても、一度OK を出したから仕方がないと考えてしまう。

 

そこで初めは相手が認めやすい提案で承認を得てから、新たなオプションを要求していく方法である。

新しい人間関係構築の場合、いきなり難しいことを求めるのではなく、低いハードルを越えたら徐々に上げていくのである。

 

論理で納得させるのではなく、まず好感を抱いてもらい、信頼を得ることが優先である。これらはビジネスの商談の際に使われる手法であるが、商談も職場も良好な人間関係構築においては同様である。

 

こんな上司は嫌われる

 

職場の人間関係ではとりわけ直接仕事に関わる上司に対する不満があげられる。そこで部下から見て嫌われる上司のタイプをまとめた。

 

一番目として「部下の能力を妬み、部下に恐怖心を抱いている」、部下が優秀ゆえに自分の存在が脅かされると感じて、部下に対して理不尽な言動を取る上司である。部下に先を行かれることは、上司として認め難いことである。

 

二番目として「部下は叱ること、厳しくしなければ育たない」、かつて自分が上司からそのように育てられたので、その方法を肯定して部下に接している。運動部における体罰指導に似ている。このような上司は自分と部下は同じという錯覚を持っている場合に発生する。

 

三番目として「部下は上司の僕である」、部下は黙って上司の言われたことだけをやっていればいいんだという古い考えを持っている。下人や召使のように扱われたら、どんな部下であっても辞めたくなるだろう。

 

他にも「話をする、コミュニケーションが苦手」「朝言っていたことが夕方には改められている」「管理することを縛ることと考えている」「チームの業績より個人の業績を優先する」「長時間働くことが美徳ととらえる」「リーダーとしての使命感がない」などがあげられる。

 

こんな上司の下で仕事をしたら、3年どころか3ヶ月も持たないかもしれない。部下が取れる対処としては配置換えがあるまで我慢するか、自らの転職を検討するしかない。

 

このような社員に上司として管理業務をやらせている会社に問題がある。中途退職は本人にとっても不幸であり、会社にとってもせっかく時間とお金をかけて採用したのに退職されては大きな損失である。

 

変えられるのは自分だけ

 

部下は上司を選択できないが、また上司も部下を選択できない。組織の中で仕事をするには良好な人間関係が構築できなければ、結果として双方が不幸になる。

 

積極的な思考の者は何とかなるさとノー天気のため、相手の弱音に気付かないものだ。一方消極的な思考の

者は何事も心配であり、性悪説で考えてしまう。思考が異なるもの同士であれば共感は得られず信頼関係も築けな

い。相手を攻撃して自分の思うとおりにさせようとすればするほど関係は悪化する。セクハラやパワハラに発展す

る。

 

互いにニュートラル状態になって初めて共感が生まれる。本性は簡単には変わらないが、相手を理解することで

対処が変わってくる。

 

孫子の兵法の中に「己を知り、敵を知れば百戦危うからず」がある。良く知られているが、さらに続きがあった。「敵を知らずして、己れを知れば、一勝一負す」「敵を知らず、己れを知らざれば、戦うごとに必ずあやうし」とあった。

 

同じ職場に働く者同士であれば、企業の利益拡大というベクトルは一致している。よって相手も自分と同じ思考の持ち主であるという錯覚を持ってしまう。孫子の兵法の敵を職場の相手と言い換えて実践できれば職場の人間関係が現状よりは改善されるだろう。

 

長野日報土曜コラム平成25年5月25日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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