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31 家の取得

家は代々続くもの

 

家を取得すると言えば、マイホームを購入することを表すと思われますが、戦後まもなく現在の均分相続が施行されましたが、それ以前は家督相続が行なわれていました。家督相続は家長の世代交代であり、家長の死亡によって行われるばかりではありませんでした。

 

跡取りは家を継いで家族を養い、家業や墓を守り継いでいくことでした。名誉や財産は家に属していて、家長はそれを管理する責任者でありました。家長になる権利は長男に与えられ、やがて家を離れていく次男以降の男子や女子には家長の判断でいくらかの分け前が与えられました。配偶者の権利も無いに等しい状態でした。現在のように相続によって兄弟が均等の相続分を有し、配偶者には相当の相続分が与えられるようになったのは戦後のことでした。

 

家が意味するところに「家柄」「家系」がありますので、江戸、明治から続く家は敷地の広さや建物の構えが立派であり、いまでも各地区に資料館として残っていることがあります。また本陣といわれ役人等が宿泊に利用した地元名士や商人の建物も立派な家の構えをしています。

 

今でも家はステイタスシンボルであり、財を成した人は立派な家を建てています。しかし、かつてのように他人を家に呼んで集うことは少なくなり、客を招く空間は少なくなりました。室内空間は家族が生活を営む事が重点となり、伝統的な文化や古いものは部分的に否定され、新しく近代的な生活様式を取り入れた空間や設備が好まれるようになりました。

 

家はストレス解消

 

家を建てられた方はどんな理由から建てられたのでしょうか。ご主人は現在の賃貸住宅では部屋が狭く、子供が家にいるとうるさいと言っていました。奥様は親と同居では姑に気兼ねし、養育から生活全般においてストレスがたまると言っていました。さらにアパートでは隣の住人の音が気になり、子供が男女であれば、やがて別々の部屋が必要になると言っていました。こうしてみるとマイホームを建てたいと思うきっかけは現在の生活の不満要因にあります。本人が五感で感じる違和感やストレスを解消したいところに発端がありそうです。

 

やがてマイホーム取得計画を進めていくと、意識が次第に変わっていくことがあります。すでにマイホームを建てた先輩や同僚の仲間入りがしたい。アパート時代とは違い、傍目にはしっかりした家庭と思われます。地域からも一員として受け入れられ、大人として根付いた者として感じられます。

 

さらに大金を金融機関が貸してくれたことは、自分にそれに値する信用があることの裏付けになります。またマイホーム取得とは生まれて初めての体験になりますので、いくつものハードルを乗り越えて成し遂げた際は、大きな達成感が得られるでしょう。それはやれば出来るという大きな自信につながります。ストレス解消から始まったマイホーム取得がやがては自己実現達成という高い満足を得ることに結びつくのです。

 

マイホームはローンが当たり前

 

ローンと言えば借金のことであるので、借金をすることに抵抗を感じる方がいるでしょう。借金は本人の信用の証ですから、借入額の多寡は信用の裏返しでもありますが、返済が終了するまで借金に縛られることになります。長年にわたり返済し続けることは、想像以上に大変なことです。

 

若年世代は結婚、旅行、自動車、家具家電をローンで購入することにさほど抵抗が無いと言われます。本来抵抗はあっても所持金が少ないので、ローンを使わざるを得ないところでしょう。ハウスメーカーの方も頭金なしで住宅購入する若年夫婦は多いと言っていました。頭金を貯めてからマイホームを取得していては年を取ってしまうし、楽しみは先送りできないところでしょうか。

 

マイホーム資金として2,000 万円を借りて金利3%返済期間35年であれば、元本2,000万円の他に金利分1,232万円を余分に返済することになります。金利分は総返済額の38%を占め、元本に対して62%にもなります。もし2,000 万円が現金で用意できれば1,232 万円は支払わなくてよい金額になります。マイホームが家族にとってどんなに欲しいものとしても1,232 万円は高い買い物となるでしょう。この負担を少しでも減らすには元本の繰

上げ返済が必要になります。

 

購入する前に頭金が貯められないならば、購入後元利金を返済しながら別途元本部分を貯めて返済に充てるのです。これを実践することは大変なことですが、返済しながらも貯蓄することを意識しなければ、そのつけは必ず将来に回ってきます。

 

住宅は持家か賃貸か

 

大人になって家族を持ったら家を建てるのは当たり前のことである。家族も持家を望んでいるし、男として当然の甲斐性である。そんなロマンがいつの間にか潜在意識となっているのかもしれません。住宅を購入された方は賃貸では自分のものにならないが、持家は自分のものになるのでお金が無駄にならないと言われます。年を取ってからの賃貸は保証人が見つからないかもしれないという不安があるが、持家ではそんな心配は無い。

 

物を所有するということは、その物を誰に遠慮することなく自分の思い通りに扱えるので、占有や所有の欲求を満たすことになります。しかし、その対価はずいぶん高くつきます。

 

例えば、土地建物2,500万円を金利3%返済期間35年であれば、金利負担分1,500万円元本2,500万円により総返済額は4,000万円になります。その間の保有コストである固定資産税、都市計画税は課税標準を2,000 万円とし税率1.7%とすれば、1,190万円になり、35 年間のコストは5,200万円相当になります。長い年月の間には水回り設備、屋根外壁の修理が発生します。

 

やがて誰も住まなくなった住宅はどのように処分するのでしょうか。売却しようとしたら誰かが購入してくれるでしょうか。親と同居することを否定して独立したあなたの子供があなたと同居するとは考え難いものです。その他持家に関わるコストとして損害保険料、健康保険税、自治会費等も上乗せされるでしょう。

 

一方賃貸では月額家賃8万円を35年間では3,360万円、45年間では4,320万円になります。持家に比べ1,000 万円くらいは安くなりそうです。賃貸住宅では住む場所やサイズを家族に応じて変化させることができます。持家との差額1,000 万円の価値をどのように判断されるかは人それぞれでしょうが、子供がいれば養育費と老後の生活費は必ず発生します。ご自身で比較的自由に判断できるのは人生の3 大費用のうちでは住宅費用ではないでしょうか。

 

マイホームの選択

 

これまで親と同居されていた方が親の住宅とは別の場所に土地を求め、住宅を建てられました。夫の親と同居では妻の親は気軽に孫の顔を見に来ることは出来ません。妻も仕事をしているので、子供の世話は自分の親には頼みやすいが、夫の親には頼みづらいこともありマイホームを建てることになりました。

 

マイホームを求める気持ちは夫より妻の方が強いと言われます。家にいる時間も妻の方が長く、夫の母親である姑とは少なからずストレスを感じるものです。何十年もこのストレスに耐えるくらいならば、生活が苦しくてもマイホームを取得したいと言う気持ちでしょう。

 

かつて結婚を機に姓を変えて婿養子になった男性がいました。当時は男が自らの姓を捨てるなんて男らしくないと思われました。本人もその都度変更した姓を照れくさそうに言葉にしていました。住居は結婚と同時に妻の実家に住むことになりました。妻は実の親と同居ですから姑とのストレスはほとんどありません。親から見れば跡継ぎが出来たこと、若い男手があることは何かと安心であるといえます。経済的に大きな住宅ローンを抱えなくてよいことは若い夫婦にとって有利なことです。

 

嫁と姑のストレスは妻だけでなく、夫にもその影響は及びます。職場のストレスに加えて家庭でもストレスがあれば休まるところがありません。妻の実家で暮らすことは経済的にも精神的にも理に適っているといえるでしょう。

住宅取得は老後の生活拠点を決めることでもありますし、失敗したらやり直しは容易にきかないので、慎重に検討する必要があります。返済するローンの心配とともにどのようなライフデザインを描くかが基本になります。衝動的な思いや周囲の動向に惑わされることなく家族に適したオリジナルのマイホームを取得するには、いくら時間をかけてもかけすぎることはないでしょう。

 

長野日報土曜コラム平成21年3月28日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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